大工工事

廃材で小屋をビルド!
[VOL.3 床・壁・天井パネル編]

ここからは小屋の骨格になる各パーツパネルを製作していきます。使用サイズにカット済み&塗装済みなので楽チン。プラモデル状態です。ビシビシ組み上げていきましょう!
前回の『廃材で小屋をビルド![VOL.2 材料のプレカット〜塗装編]』をご覧いただいてない方はこちらもご一読ください。

Contents

実践:床パネルを作る

①床組の基本303ピッチ

まずは床パネル。廃材利用ということでちょうど良い材料がなかったので床の奥の部分でつなぐ事にしました。つなぎ目部分にも下地の骨を追加しておきます。床の下地は303ピッチで入れ、この下地に向かってビスで固定していきます。荷重がかかる部分なので303で入れるのが基本です。

どうして303ピッチ?
基本的にカットしないで板材を使用する場合、辺の長さは910mm、1820mmという感じになっています。303ピッチだと910mmに対して中2本、1820mmに対して中5本で均等に骨を配置できるからです。床などの加重がかかる部分は303ピッチ、天井や壁など荷重のかかりにくい箇所では455ピッチにするの
が一般的です。

②長手通しで木組

長手側の材料を必要サイズにカットし、短手側の材料を必要サイズから骨2本分短くカットした材料をハシゴ状に組んでいきます。この組み方は一般的に長手通しと呼ばれています。そうでない場合もありますが、長い材料は出来るだけ長いまま使った方が材料に無駄が出にくくなります。

③ビスの打ち方

木組を作る場合、ビスが1本だとくるくる回ってしまうので必ず2本ずつ打ちます。特に際に注意!そのまま打つと皿ビスの根本部分が入った際に必ず割れます。ビスを打ちたい場所にビットの先などでグリグリと穴を掘ってから打ち込みましょう。

ちょっと裏技。きわ打ちする場合に、ビスの先端をニッパーなどで落とすと割れにくくなります。先端が細い状態からだんだん太くなる際に押し広げる力が割れにつながるんですね。「最初から太ければ押し広げないから割れない」という事。刺さりにくいのと、いちいちニッパーで先端落とすのがメンドクサくなければお試しを!

④コンパネで直角を出す

木組ができたらパネルを貼り込みます。木組は材料のカット面の転びなどちょっとした原因で多少の歪みは出るもの。きっちり直角の出たパネルにするために、加工前のコンパネの直角を利用して正確な長方形を作ります。コンパネに木枠を合わせながらビスで固定していきます。

実践:壁パネルを作る

次は壁パネル。壁側は最終的な表面仕上げにクロス貼りたいのでPBを貼って製作します。セルフリノベでもPBは不可欠な要素なのでしっかり覚えちゃいましょう!

①フロアと同様に木組

基本的な木組は床パネルと一緒です。袖壁2枚と背壁1枚を長手通しで組んでいきます。床パネルに比べ製作サイズが大きくなるので作業場は広めに確保しましょう。

②455ピッチ

床パネルのくだりでちょっと触れましたが、壁パネルの骨ピッチは455m。荷重がかかりにくい場所なのでこれで十分です。ただし、完成イメージで特定の場所に棚などを取り付けたい場合はその部分に下地を追加するのを忘れずに!今回は基本の骨位置に棚を取り付けるので追加の下地は不要です。

③PBの切り方

壁パネルに貼るPBを必要寸法にカットします。PBはカッターで容易にカットできるので加工が楽チンですね。手順は以下の通りです。

①スケールでカットしたい寸法の印を、始点付近と終点付近に2点付ける。
②長い定規(なければ直線が出ている材料でもOK)を印に合わせる。
③カッターで1〜2回切り込みを入れる。力の入れ過ぎに注意!新しい刃で軽くなぞる程度で十分切れます。
④作業台の端などを利用してパキッと折り、ボードの裏紙をカッターで切る。簡単に折れます!ちょっと力を入れて折れない場合は無理やり折らずに再度切り込みを入れましょう。
⑤ボードヤスリで断面を平滑にならす。

ノコギリや丸鋸でも切れますが、粉塵が飛び散るし、刃がすぐに傷んでしまうのでオススメしません。

④PBで直角を出す

床パネル同様、PBの未加工部分の直角を利用して正確な長方形パネルを作ります。PBを止める際はボード用のビスを使用しましょう。ビスの切り込み間隔が木ビスよりも広くとってあり、ボードへの食いつきが良くなってます。さらに、ビス頭がザラザラしておりパテが乗り易いように加工してあります。

実践:天井パネルを作る

①軽量素材

小屋を建てる上で、屋根部分が重いと全体の強度が著しく低下します。可能な限り軽量素材を使用しましょう。今回はプランター小屋という事もあり太陽光を取り入れられるようにクリアの中空ポリカーボネイト版を使用します。

 

②壁と同じ組み方

基本的なパネルはこれまでのパネルと同じように長手通しで製作します。屋根部分のパネルなので、壁に乗せる部分に加えて軒部分の張り出し分があるので図面をよく見て正確に製作しましょう。

③勾配を付ける

今回は屋根に15度程度の勾配をつけます。勾配角度は一般住宅の場合法令に定められた角度がありますが、仙台は豪雪地帯でもないので今回は雨が流れればOK。15度程度勾配が付いてれば十分です。勾配パーツも屋根パネルにあらかじめ合体しておき、最後にヨイショっと乗っけます。

④ポリカ版を貼る

いよいよパネル製作の最後の工程です。屋根部分のポリカ版を取り付けます。屋根部分という事で出来る限り穴を開けたくないのですが、今回の設置場所が海沿いに位置し、潮風での劣化の進みが早いことが予想されます。両面テープ+コーキングに加え、雨漏り防止のパッキンを使いビスでの固定も追加します。

ポリカ版の小口にご注意!ポリカ版は中空構造になっており、小口には沢山の穴が開いてます。この穴をそのままにしておくと、穴に沿って埃が入り込み汚れがズンズン奥まで侵食してきます。穴の開いている辺は必ず強力なテープで塞ぐのをお忘れなく!

屋根パーツ完成!工場作業はここまで。この後は完成したパーツを設置場所へ移動し、基礎立て〜パネルを合体していきます!
次回[VOL.4 木ぐい基礎〜床パネル結束編]をお楽しみに!

今回の廃材で物置をビルド![VOL.3 床・壁・天井パネル編]はいかがでしたでしょうか?当サイト「セルフリノベの虎の巻」には本記事以外にもセルフリノベに関するアイデアや施工方法の解説など便利な情報を公開しておりますので、ご興味のある方は是非ご一読ください!

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