前回までは作業場での製作作業でしたが、ここからは設置場所での作業に入ります。小屋を建てる上での基礎を打ち、床パネルを結束するまでを解説!
前回の『廃材で小屋をビルド![VOL.3 床・壁・天井パネル編]』をご覧いただいてない方はこちらもご一読ください。
Contents
実践:木ぐいで基礎とする。
木ぐいの作り方と特性(4面取り)
今回のように設置場所が平坦じゃない場所などに構造物を建てる際は、木ぐいを使った基礎が有効です。荷重に合わせた数・太さ・打ち込み方法で作れば、人が乗っても十分荷重に耐えることが出来ます。
今回のプランター小屋は、中に人が入るわけではないので45mm角の杭を4本使用して建てます。
杭の長さとカット方法にご注意!
最終的に余った部分はカットするので長めの杭を選びましょう。杭が短いと地盤が柔らかかった時に長さが足りなくなることがあります。
自分で杭を作る際はカット方法にも注意が必要で、4面で尚且つ鋭角に打ち込み部分を作らないと、地中の抵抗が影響して位置がズレやすくなってしまいます。

基点の1本目を打ち込む
先ずは床パネルを仮置きしてみます。杭の入るあたりに移動できない問題がないかよく確認しておく必要があります。打ち込んでしまった杭は抜くのが大変です!しっかり調査しましょう。設置場所が決まったらいずれかの角に合わせ基点となる1本目を打ち込みます。

床パネルは骨組みの状態で設置します。骨の内側に杭を仕込み、骨側から杭に向けてビス固定することで完成後に基礎杭が見えにくくなり、スッキリと仕上げることができます。
木ぐいの上手な打ち方
杭打ちはなかなかの重労働。誤った打ち方だと効率も悪く、しんどすぎて半端な打ち込みで妥協したくなっちゃいます。正しい打ち方でしっかりとした基礎を作りましょう。
- ハンマーの頭部分のすぐ下あたりを片手で持ち、杭を押さえながら自立するまで軽くコンコン打ちます。
- 杭が自立したら利き手を頭部分から30センチ辺り、逆手を肢の端部辺りをしっかり握り、一度杭の上に頭を置きます。
- 杭の頭をしっかり見据え、最初はおまり大きく振りかぶらずにハンマーを真下に落とすイメージで打ち込むみます。
- 曲がってきた場合、足で補正しながら打ち込みます。この時空振りすると足にハンマーが直撃しちゃうので注意!補正しながら打つ場合は振り上げ角を小さめにしましょう。
- 慣れてきたら少しづつ振りを大きくしていきましょう。とは言えマックス振りかぶっても逆手が自分の目の位置程度までにしましょう。杭の頭から目を離さないようにする事でヒット率が上がります。
杭打ちは事故の発生しやすいシーンです。これだけは注意してください。
◯利き手の持つ位置がハンマーに近すぎて杭を手で打っちゃう。
→確実に30cm程度離しましょう。
◯誰かに押さえてもらうのは危険!
→熟練者であれば空振りは皆無なのでしょうが、押さえてもらった状態で空振りしちゃうと・・・考えたくないですね。
◯もし空振りしちゃったら・・・
→腕力では止まりません。腰を痛めてしまったり、支点がずれ遠心力で足に向かって打ち込んでしまったりします。その時はハンマーを持ったまま膝を落とししゃがむように地面にハンマーを打ち付けて回避しましょう。
床パネルを仮置きする
基点の一本を打ち込んだら、床パネルを基点杭に引っ掛けるように仮置きします。次に対角に杭を軽く打ち込みます。この状態で床パネルはある程度固定されているはずです。残りの杭位置にも軽く打ち込み杭位置を確定させます。

残りの杭も打ち込む
仮打ちした杭をしっかり打ち込みます。万一が空振りするとせっかくの床パネルを破壊してしまいかねないので、床パネルは一度外しておきましょう。水平器を使ってまで真っ直ぐ打ち込む必要はありませんができる限り垂直に打ち込みましょう。
はみ出した杭は後で切ってしまうので長さはバラバラでOKです!

実践:床パネルとの結束
今の状態は長めの杭が定位置に打ち込んである状態なはず。床パネルをかぶせて理想の高さに結束固定していきます。
フロアとGLの関係
今回の設置場所は背面側が法面になっており平らな場所は皆無。杭を長くしておいたのこのためですね。フロアの高さを決める際はGLの一番高い場所を基点に決める必要があります。低い場所で基点を決めてしまうとGLの高い位置に来た時に床が低くなりすぎる事に。雨などの跳ね返りは100mm位跳ね上がりますので、FLはGLの一番高い位置から+100mmの高さにします。
◯GL(グランドライン):グランドレベルとも呼び、地面の事。
◯FL(フロアライン):フロアレベルとも呼び、床の仕上がり面の高さを指す。

水平器でレベルをキープ
FLの基点を決めたらビスを1本仮打ちします。パネルの骨に水平器を設置し四隅のレベルを仮止めします。仮止め後、再度水平器でレベルを確認し本留めします。ビスは杭に対して各面4本づつ打ち込みましょう。

一人で建てるコツ(ビスを効率よく使う)
仮止めする際はパネルに直接ビスを打ち込むのではなく、パネルの下部あたりの杭にビスを打ち、ビスに乗せるようにすると調整しやすいです。調整する際にパネル自体を何度も打ち直すと穴がふけてしまったり、ズレて打ったビス穴に引っ張られていつまでも高さが決まらなくなってしまいます。

杭のカット&盤面固定
現在、床パネルの骨組みが杭に水平に固定されている状態ですね。基礎完成までの最終工程です。骨組みよりはみ出た杭を骨に沿わせるように面でノコギリカットします。その後、プレカットしてある盤面を乗せ、ビスで固定すれば基礎〜床パネルの完成です!

盤面を被せてしまうとパネルの中桟の位置が分からなくなってしまいがち。ビスで固定する前に盤面に桟の位置をマークしておきましょう。
実践:壁パネルの結束
まずはL字でパネルを合体
壁パネルを自立させるために壁パネルと袖パネルをL字で合体させます。これで自立できますね。その後、反対側の袖パネルも固定しコの字型に合体させます。今回は小さめの小屋なので、合体させてから定位置へパネル位置を調整します。

壁パネルの固定
位置の調整が出来たら外側から壁パネルを床へ固定します。パネルの下にゴミなど挟み込まないように注意しましょう。

壁パネルの完成
床へ壁パネルを固定できたら壁建て完了です!この段階ではパネルの上部分はブラブラしてますが、天井パネルと連結する際に固定されるので大丈夫!次回はいよいよ仕上げ編です。お楽しみに!

今回の廃材で物置をビルド![VOL.4 木ぐい基礎〜床パネルの結束編]はいかがでしたでしょうか?次回は[VOL.5 屋根掛け〜外装〜仕上げ編]をお届けします。
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