次回に引き続きZITEKI BASE様のパテーション工事の続きです。この章では前回マークした地スミと天スミに従い下地となる木材を固定していきます。
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大引きを敷く
大引きとは床面に対し固定する基礎となる木材です。柱を立てる際に大引を敷いておく事で木対木で強固に連結することができます。また、PB(プラスターボード)を貼る際の下端のビス固定の下地もなります。
手順1:カットした60mm*45mmの木材をカットし仮配置
図面と地スミに従い木材を寸法通りにカットし置いていきます。木材はできる限り長いまま現場に持ち込み、現場にて採寸してカットすることが大事です。工場などでプレカットすれば搬入は楽チンなのですが、現場では微細なズレが生じることが当たり前のように起こります。長ければ切れば良いのですが「長さ足りねぇ・・・」という事が頻繁に起きちゃうのが現場の恐ろしさデス。長い材料を効率よく取るために事前にカット表的なものを作っておくと材料が不足するなどのトラブルを回避することができます。
手順2:振動ドリルで大引きを床に固定
今回の現場がRC造のビルでしたので床の下地はコンクリート。大引を固定するためには振動ドリルで下穴を空け、Pレスアンカーなるコンクリート専用のビスを使って固定します。この作業は実に大きな音が出ます!工事関係者以外が在住の場合は事前告知が賢明です。
ドリルでの穴空けはそんなに力を入れなくてもドリルの振動でちゃんと入っていきます。一気に捻じ込むとキリ先が焼けて切れなくなるのでご注意を!
- 地スミに従い正確にカット!
- 振動ドリルは音デカめです。周りに配慮して作業しましょう。
- 振動ドリルを使用する場合は一気に力技で捩じ込まず、機会の振動を上手に利用してゆっくりと穴を空ける。
- Pレスアンカーは回しすぎ注意!固定する際に回しすぎてしまうとその穴は使えません。穴あけからやり直しになるので慎重に。
大引を敷く際の最重要注意点が『建具回り』。事前に建具枠が届いている場合は先に枠を仮置きして作業するのがベストですが、建具は納期が長く、タイミングが合わない事もしばしば。事前に大引を固定する際は発注した建具の枠外寸法を確実にキープしましょう。多少広くても枠を固定する際にパッキンを入れる事で調整できますが、狭い場合に広げるのは超メンドイです。3ミリ〜5ミリ程余裕があった方が良いでしょう。
通し柱を建てる
通し柱とは天井まで到達させる柱の事。通常の間仕切り壁ならば全てが通し柱になるのですが、今回はパテーション工事。全ての柱が壁から上にニョキニョキ出ていては賑やかすぎますので、主要な部分だけ通し柱にして、間柱はパテーション上端で収めます。
手順1:金具をアンカーで止めていく。
本来であればジプトーンを開口し、天井裏に受け下地を忍ばせて柱を差し込み固定するのですが、今回はちょうど良い位置にジプトーンを固定している下地が!これは利用しない手はありませんね。最終の仕上がりが柱にもPBを貼りクロスで仕上げるのでこの方法でもプレートが見えることはありません。
手順2:柱の長さはできればつらつらで叩き入れる。
柱になる材料は寸法が短いと剛性も弱まるしブラブラしてとても作業もしにくい。ジャストの寸法でカットする事が重要です。ジャストで切っても概ねちょっと入らないはず。当て木をして軽く叩き入れるくらいがベストです。モチロン天井が持ち上がるくらい長すぎてはダメですよ。その場合は寸法が間違ってます。無理やり叩き入れずに諦めて適正サイズにカットしましょう。
- 金具は天スミに正確に合わせて固定しましょう。
- 地スミ&天スミに合わせつつも水平器での垂直確認も忘れずに。
- 柱の長さは軽く叩き入れる程度のつらつら感がベスト。
通し柱を桁でつなぎ間柱を建てる
続いては先ほど建てた通し柱に桁(壁の上端部に横に流す材料)で繋ぎ更に間柱(PBをビス固定するための下地)を建てていきます。木工での下地作りの最終工程です!
手順1:桁を留めていく
通し柱に桁を固定する際に忍び(木端部に斜めにビスを打ち込む事)で固定しても良いのですが、慣れていないと打ち込む際に桁が上がったり下がったりと位置がズレてしまう事も。L金具を使用したり受け材を事前に柱に固定することで正確な位置に固定しやすくなります。今回は余った木材を適当なサイズにカットし受け材として使用します。
手順2:間柱を建てる
間柱のピッチは本来303mmor455mmで入れるのが一般的です。一枚のPBに対して303は中2本、455は中1本のビス下地が入ると言うことになります。今回はスペースの割に通し柱やその他の固定柱が多いので455mmピッチで十分でしょう。壁の長さがPB3枚以上(約2700mm)になる場合は合成を高めるた為にも303ピッチが推奨されます。
- 慣れないと忍びはズレやすい。金具や受け材を上手に利用する。
- 間柱も水平器などで垂直確認を忘れないで!
- 間柱のピッチはスペースと柱の量で総合的に判断。小場所は455でも大丈夫!
今回はここまで。次回は石膏ボードを貼っていきますので要チェックです!
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