前回に引き続きZITEKI BASE様から請け負った工事の様子からパテーションの建て方を完全解説します。シリーズも今回で最終回!クロス貼り〜ソフト巾木の最終仕上げ工程の解説になります。最後までぜひご覧ください。
Contents
下地パテ〜仕上げパテがけ
仕上がったPBにクロスを貼るための下地を作る「パテ掛け」。クロスの仕上がりを大きく左右する大切な工程です。手順としては「下地チェック」→「下地パテ」→「仕上パテ」となりますが、各項目の中でも沢山の注意点があります。項目別に掘り下げていきましょう。
手順1:PB下地のチェック
先ずはPB下地のチェックから。ボードの割れやビスの飛び出しは後々仕上がりに影響を及ぼすので入念なチェックが必要です。ビスの列をヘラでひと流しするとビスが飛び出している位置で「コツっ」という感触があるはずなので、全てのビスをひと撫でしましょう。
手順2:下地パテでボードの継ぎ目を埋める。
ボード目地へ下地パテを打つ場合、ギッチリ切りすぎると乾燥後に痩せてしまう事が多い。打ち終わり状態で1〜2ミリ程度盛り上がっている程度がBESTです。思いのほか痩せずに盛り上がりが残ってしまった場合は仕上パテの前にサンダーでひと擦りする事で簡単に研ぎ落とせます。
- 施工前の下地チェックを怠るな。
- 切りすぎ注意!少し盛り上がってるくらいで丁度よし。
- 乾燥後のチェックも忘れずに。盛りすぎている箇所はサンダーでひと撫でしましょう。
手順3:仕上げパテで平滑に仕上げる。
最後に仕上パテを施工します。仕上パテは粒子が細かく、クロス糊の粘着性が高くなってますので下地パテを打った箇所は全て仕上パテで覆う必要があります。逆に言うと下地パテが残った部分にはクロスは粘着しません。施工直後は何となく貼れている感じはしますが、後々浮いてきて袋貼り状態(気泡が入ったようにパカパカ浮いた感じ)になってしまいます。確実に全ての下地パテを覆いましょう。但し厚塗りは厳禁です!仕上パテのテーマは「広く薄く滑らかに」です。

- 下地パテは残すな!確実に全ての下地パテを覆いましょう。
- 厚塗り厳禁!硬化後の仕上パテはとても硬いのでサンダーで研ぐのはとても大変。
- 仕上パテは「広く薄く滑らかに」が大事。
仕上パテ乾燥後のチェックでウネリや痩せ、段差などがある場合はもう一度仕上パテを掛けましょう。妥協のないパテ施工が美しい壁面を作るのには不可欠なのです。
クロスで仕上げる
ついにクライマックス!楽しい仕上の時が来ました。下地さえ完全に仕上がっていれば貼り作業を気持ちよーく進める事ができます。最終的に目に見える部分の作業なので妥協のない美しい仕上がりを目指します。
手順1:糊付け機を使っての糊つけ作業
プロならば持っているのがクロスの糊付け機。セルフリノベで壁一面のみの場合などは手付けで全然OKですが、丸っと一軒家のクロスを貼る場合は効率が全く違うので不可欠になってきます。
このマシンは数値入力で必要な長さのクロスを好みの糊厚で糊付けすると同時に、スリッターなるパーツがクロスの不要な耳部分も落としてくれるスグレモノです。スリッターでカットされた端部はシャープに切れているので突き付け施工(※)が可能となり、長辺の壁を施工する場合などはいちいちジョイントする必要がないので超効率的に作業を進める事が出来ます。
糊付け機は出力されるクロスのたたみ方にコツがあります。動画にて解説しておりますのでご覧ください。
(※)突き付け施工:スリッターでカットされた辺同士をピッタリ合わせて貼る施工方法。真っ直ぐ切れるスリッターでないとうまく施工出来ません。

手順2:クロスの貼り方はジョイント工法が簡単。
クロスの合わせ目の部分の処理には二つの施工方法があります。一つは先ほども登場した突き付け工法。そしてもう一つがジョイント施工です。どちらかと言うとジョイント工法の方が簡単で間違いも起こりにくいとされています。手順は以下の通りです。
- 通常通りに1枚目を貼る。
- 3cm程度重ねて2枚目を貼る。
- 重なった部分を2枚同時に切る。
- 1枚目の左辺耳と2枚目の右辺耳と下敷き&カットテープを取り除く。
- ジョイント部分を確認しながらローラーで転圧する。
- ジョイント部分の余分な糊をキレイなウエスで拭き取り完成
こんな感じです。一連の流れを動画でも解説してますのでご覧ください。
- 沢山クロスを貼る場合は糊付け機が不可欠。ホームセンターでも糊付けサービスを提供している店舗もある。
- ジョイント工法の方が簡単で間違いない!
- 施工後は必ずキレイなウエスで糊を除去!残してしまうと後々変色して大変な事に。
クロスのジョイントカットは一発勝負です!確実に一撃でキメるためにジョイントのたびに毎回カッターの刃を折ってフレッシュな状態にする事がとても大事です。ここで刃をケチるとギザギザでジョイント箇所丸わかり状態になってしまいます。フレッシュな刃でジョイント部分がどこかわからないような施工を目指しましょう!
巾木を貼ればコンプリート
最後の工程はソフト巾木で壁面の下端部を仕上げます。ソフト巾木は柔軟性が高く、今回のような小場所が多い現場では重宝します。
手順1:ボンドを塗る前に役物の型取り&仮置き
ソフト巾木を施工する際は速乾ボンドを使うのが良いでしょう。正しく使えば強力な粘着力を発揮し後々の巾木の浮きなどを防ぐことが出来ます。但し、その強力な粘着力がゆえ一度貼ってしまうと剥がすのはとても困難です。ボンドを塗る前に細かい役物なども含めて全ての巾木を適正な長さにカットし並べてしまいます。

ボンドは壁面&巾木の両方に塗り完全に乾燥させる。
速乾ボンドは施工面と施工物の両方に櫛目を付けて塗ります。ここで大事なのがしっかり乾燥させること。「ボンド乾いてしまっていいの?」と思いがちですが、速乾ボンドはそれでOKです。乾いていても面同士が合わさるとガッチリ粘着します。
壁面にボンドを塗る時は巾木の高さを超えないように注意!巾木用のヘラは巾木幅よりも5mm程度小さく出来ているので必ず使用するようにしましょう。壁面塗布のコツは薄いベニヤなどにボンドを溜めて壁にベニヤを当てながら塗ると床面も汚れずに効率◎


ポイント
- ボンドを塗る前に型取り&仮置きする。
- ボンドはしっかり乾燥させないと接着力ダウン。
- 壁面へのボンド塗布は専用のヘラが高効率。
綺麗に仕上がりました!
述べ工期日数12日で工事が完了です。ZITEKI BASE様のオーナーにも大変お気に入り頂き満足な仕上がりとなりました。新設されたコワーキングスペースで新しいアイデアが誕生すれば嬉しい限りです。
4回に渡り連載してきましたZITEKI BASE様のパテーション工事の施工シリーズも今回が最終回です。また何かの現場で施工解説の記事を連載したいと思います。
最後までご閲覧頂きありがとうございました。

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