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見切りスタートで失敗する!?セルフリノべ VOL.最終回「 工程表を作ってみた。」

こんにちは!ライターの伊藤です。今回は「見切りスタートで失敗する!?セルフリノべ VOL.最終回[工程表を作ってみた。]と題しまして、作業にかかる時間の目安や効率的な作業工程も組み方をレクチャーします。

前章をご覧になっていない方は「見切りスタートで失敗する!?セルフリノべVOL.3予算組み最重要説」をご覧ください。

Contents

「段取り8分!」準備不足じゃ戦えません。

「できる職人は仕事が速くて綺麗。」

仕事ができる大工さんの条件は「工期が短く仕上がりが綺麗」これにつきますよね。
昔から「段取り八分」という言葉がありますがこれホント。リノベーションの現場において段取りとは「材料発注」「道具の準備」そして「よく図面を読み込み、施工内容を理解しておく」こと。
しかし、リノベ現場の実情は元請の材料発注が間に合ってなかったり、前乗りの業者さんが終わってなかったりと、大工さんの実力が正当に評価されない事が多いのも事実です。
施工スキルが高くても手が止まるような場面が多くては実力は発揮できません。
プロでさえ「段取り八分」なのですから、セルフリノベともなれば「段取りが全て」と言っても過言ではありません。
過不足なく材料、副材、道具類が準備されていること、何よりも施工内容を説明できるほどに理解していることが重要となります。

できることとできないことの線引きをする。

YouTubeを見れば何でもできそうに思えますが、そんなことはありません。セルフリノベには「時間をかければできること」と「時間をかけてもできないこと」があります。
例えば、ノコギリやドライバーを握ったことがない方にセルフリノベは難しいでしょうし、構造計算ができなければ、耐力補強はできません。さらに電気工事には免許が必要であったり、重量物の施工など物理的に一人では不可能な工事もあります。
出来ることと出来ないことの線引きをして楽しい作業だけするのがBEST!
業者を上手く導入してハーフビルドがバランスポイントではないでしょうか。
ちなみに私は腰痛持ちなので、コンクリートのネリネリ作業はナンバーワン苦役。

実際に工程表を作ってみた。

築40年の古家をシャレおつ2LDKにした場合の工程表

前章でご紹介したリノベ物件の工程表を作ってみました。

変更ポイント

この案件は築40年の木造在来建築の平家。オーナーのリクエストは「和室ベースの昭和チックな間取りを今どきの感じで頼む。」とのことでしたので、ほばスケルトンまで解体してからリノベーションしました。

[変更ポイント]

  1. 間取りを4DKから2LDKへ
  2. エントランスの拡大
  3. 通路の拡張
  4. トイレの拡大
  5. キッチンエリアの拡大、導線変更
  6. 建具類の総入れ替え
  7. 玄関ドアを両引きからハイドア(ID認証リモコンドア)へ
  8. サッシ類の総入れ替え(防犯サッシへ交換)
  9. 耐震補強金具の追加

この物件の解体から仕上げまでにかかる工程と日数

工事内容日数内  容
解体工事4間仕切り壁の撤去、天井解体、建具の解体、サッシ解体、産廃処分
耐震補強2小屋裏の耐力金具追加、ダンパー追加
間仕切り木工事4間仕切り作業、FL段差解消、サッシ&建具開口
天井PB貼り2天井下地追加補強、PB貼り
床補強&床下地2和室床の下地補強、合板貼り、バリアフリー化
サッシ、玄関ドア3サッシ7箇所、玄関ドア取付&調整
壁PB工事2壁面のPB貼り、建て具廻り加工
トイレ、洗面配管1トイレ手洗器止水、配管引回し、洗面化粧台&洗濯パン配管
フローリング2フローリング貼り12畳(変形)×2部屋と木製巾木
フロアタイル、CF1キッチン、トイレ、脱衣場
建具取り付け2片開き5箇所、クローゼット2箇所、トイレ片引き1箇所
天井、壁クロス212畳×2部屋、廊下、キッチン8畳、トイレ、洗面
トイレ、化粧台取付1トイレ、洗面化粧台器具、洗濯パン取り付け
雑工事2ダイノック、補修など
総日数30
工 期6週間1月1日〜2月14日(仮)※週5日稼働換算

◯職人常時2名で施工、土日を除く平日のみ9:00~17:00で換算
※外壁工事、屋根工事、電気工事、既存キッチン、ユニットバス、家具類を除く。

上記の作業日程はあくまで大工作業、内装工事従事者をベースにしておりますので、初めて内装工事をやる方はこの表の2倍程度はかかると考えて下さい。
90㎡程度の平家を職人2名でリノベして完成までに1ヶ月半(土日休み)かかるのです。業者さんにお願いすれば、作業がユニゾンで同時進行するので3週間と言ったところ。初心者のセルフリノベともなれば3ヶ月は必至。
「そんなに会社休めません!」と言う方は、材工分離発注や部分発注など、プロの力を借りながら進める事も視野に入れてみては。


リノベする前にしておきたい大事なこと。

近隣へのご挨拶は最重要項目。

内装工事をする際に忘れてはいけないのが近隣への「工事のお知らせ」。内装工事に騒音はつきもの、工事車両の出入りや共用部分を占有したりするケースもあるので、最低でも着工の1週間前までには書面でお知らせを回しておきましょう。
ちなみに文面はこんな感じ。

内装工事のお知らせ

この度、〇〇邸のリフォーム工事に際しまして騒音や工事車両等において、ご迷惑
ご不便をおかけいたしますが、安全第一で工事を実施いたしますので、ご理解ご協力賜りますようお願い申し上げます。

■工事期間:2000年0月0日(月)~2000年0月0日(月)
■工事内容:〇〇邸リフォーム工事
■住  所:
■作業時間:00時~00時
■工事に関するお問い合わせ先:
工事に関するお問い合わせは、下記までお願い申し上げます。

氏名:
住所:
電話番号:
メールアドレス:

皆様方には大変ご迷惑をお掛け致しますが、何卒ご理解とご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

「工事のお知らせ」は向こう三軒両隣以外に町内会長さん、マンションでは管理組合や管理人さんなどへもお知らせしなくてはならない場合があるので、ケースバイケースで対応して下さいね。

電気、ガス、水道はどうする?

工事期間が長期に渡り引越してリノベをする場合など、電気、ガス、水道やを止める場合は予め水道局やガス会社、電力会社に通知をしておかなくてはなりません。
ただし電気と水道を止めると作業効率が著しく下がるので、要熟考。
そしてリノベで起こりがちなインフラトラブルとしては「プロパンガスの給湯をオール電化にしたらガス器具の買い取りが発生した」とか「オール電化にしたら電気容量が足りずにブレーカーが落ちまくる!」など。
このようなケースは工期と予算を大きく侵食してきます。事前に予測がつきますので予め各業者に確認してからリノベプランを組み上げて下さい。

今回の「見切りスタートで失敗する!?セルフリノべ VOL.最終回 工程表を作ってみた。」いかがでしたでしょうか?これで最終回となります。長文、乱筆にお付き合い下さいましてありがとうございました!
当サイト「セルフリノベの虎の巻」には本記事以外にもセルフリノベに関するアイデアや施工方法の解説など便利な情報を公開しておりますので、是非ご一読ください!

質問・ご相談ございましたらこちらまでお願いいたします。

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