土間

知っておきたいコンクリートとモルタルの違い。

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コンクリートもモルタルもセメントが原料。混合物で呼び名が変わる。

一般建築から公共工事まで。強度と扱いやすさを兼ね備えたセメント製品。

コンクリートやモルタルは、家の基礎や壁、エントランスなどから、ビル、ダムなどの巨大建造物の基礎まで幅広く採用される強度の高い建材です。一口にコンクリート、モルタルと言いますが何がどう違うのか。クリアにしちゃいましょう。

まずはセメントを知ろう。

コンクリートやモルタルの原料となるのがセメントです。セメントは大別するとポルトランドセメントと混合セメントに二分されます。そしてポルトランドセメントにも普通ポルトランド、早強ポルトランド、低熱ポルトランドなどがあり、私たちが一般的に使用しているのは普通ポルトランドセメントで、そのシェアは80%以上と言われております。

混合セメントとはポルトランドセメントに添加物を加えることで特定の性能を高めたセメントで、耐海水性が高い高炉セメントや耐薬品性に優れたシリカセメントなどがあります。

 

ポルトランドとはイギリスのポルトランド岬から産出される建築材『ポルトランドストーン』によく似ていることから、ポルトランドセメントと呼ばれています。
出典:セメント協会ホームページ

変幻自在!モルタルは練り方一つでマルチに使える。

モルタルの混合比率は?

モルタルは普通ポルトランドセメントと砂を1:2の比率で混合したものを言います。ポルトランドセメントは前章で書いた通りでセルフリノベで使用するものは「普通」と書かれたものを使用します。また、砂と言っても海の砂は水洗いしても塩分が残留するのと、貝殻などの混合物が多く場合によっては強度不足を引き起こすので川砂を使ってください。

モルタルの用途とは?

モルタルは砂利が入ってない分表面が滑らかで、仕上げ面への施工が最適です。また、接着剤としての役割も担っているため、タイルと下地の接着や目地材としても使われます。

バサ?ノロ?空モル? なんのこっちゃ!

モルタルは練り方一つで呼び名と用途が変わります。練り方とは加水量の違いを言います。簡単に言えば、バサバサした状態だから「バサ」。

  1. バサ(セメント1+砂2+水適量)
    バサバサな状態に混合したモルタルです。タイル施工の下地や不陸調整時にタイルの下に敷くことで水平面の確保ができます。
  2. ノロ(セメントを水だけで練ったもの)
    ほぼペースト状の滑らかなセメント。さらに水っぽくしたものは「とろ」。タイル目地やバサとタイルの接着剤として使用します。
  3. 空練りモルタル(セメント1+砂3)
    空モルは水を混ぜずにセメントと砂を混ぜ合わせた粉状のモルタルです。別名「敷きモル」と言われるほど構造物の下地に敷かれているのがこれ。

 

コンクリートは含水率にご注意!

コンクリートの配合比率

コンクリートとはセメントと砂と砂利を1:3:6の割合で混合したものを言います。強度を上げたい場合は砂利の含有量を下げ、細目の砂利を使用します。肝心なのは水の量です。水の量はW/C(water/Cement)と表記されます。これはセメントと水の比率を表します。W/C60%前後がベストなのでセメント10kgに対して水6kgという事になります。

しかし、セルフリノべするにあたって水とセメントを毎度計量していたら埒が明きません。砂や砂利の袋に袋基準の水量が記載されているので、その通りに混合しましょう。

私の経験上、多少の水分量の増減は全く問題ありませんが、あまりにもゆるすぎるとコンクリート表面がマダラになったり、シミができますので要注意です!

コンクリートの用途とは?

コンクリートの用途といえば、ダムや防波堤のような巨大建造物から一般住宅の基礎や駐車場のフロアまで強度を必要とする部分に採用されています。

強度や耐候性が高いのはもちろんですが、成形の自由度が高いことと、生産コストも安価なことから公共事業から一般の建築まで広く採用されております。

最近では、セルフリノべレベルでもコンクリート施工が当たり前になってきています。「セルフリノべでコンクリート工事は無理じゃ!」と思っている方は、当サイト「セルフリノベの虎の巻」をご覧いただければ「駐車場のコンクリート化」や「エントランスの通路のコンクリート化」くらいはできるようになっちゃいます。(宣伝)

生コンってなに?

生チョコ的なこと。

固まる前の練り上がったコンクリートの状態を「生コン」と呼びます。
工場で練ってミキサー車で配達してくれるのですが、コンクリートが固まる前に納品しなければならないので、配達距離(時間)が制限されますので、アマゾンのように全国津々浦々が配達範囲というわけにはまいりません。

生コンはJIS規格で90分以内に納品することが義務付けられていますので、ご近所の生コン屋さんに注文してください。

少量なら自分でネリネリ。道具はアマゾンで全部揃います。

生コンは業者さんにお願いすると1㎥あたり1,3000円〜というのが相場。これが高いか安いかは考え方次第です。腰痛持ちの私的には1㎥で配送してくれる生コン屋さんがいれば、お願いしちゃいます。
それよりも、セルフリノベって一人で施工することが多いですよね。大量に生コンを使うような現場で生コン屋さんにお願いしたとしても、一度に納品された大量の生コンを制限時間内に仕上げられる技術はありません。
広い面積の土間打ちをするにしても、目地などをつけて小分けに施工するのが現実的。結局は多少割高になってもモルタル+砂+砂利を自分で練ってのんびりやるのがベターでは。

ちなみにコンクリート練りは苦行感MAX!セメント25kg袋×3袋分の練り作業後はカップ焼きそばを混ぜるのも嫌になる程の苦役。施工面積を考えてからセルフリノべしてください!

 

今回の「知っておきたいコンクリートとモルタルの違い。」いかがでしたでしょうか?当サイト「セルフリノベの虎の巻」には本記事以外にもセルフリノベに関するアイデアや施工方法の解説など便利な情報を公開しておりますので、ご興味のある方は是非ご一読ください!

質問・ご相談ございましたらこちらまでお願いいたします。

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