内装工事

廃材で小屋をビルド!
[VOL.2 材料のプレカット〜塗装編]

いよいよ実作業のスタートです!図面を元に実際に使用する材料を事前に準備し、効率よく現場を進めることがゴールへの近道です。ここでは材料を準備し、塗装完了までの詳細を解説していきます。
前回の『廃材で小屋をビルド![VOL.1プラン〜準備編]』をご覧いただいてない方はこちらもご一読ください。

Contents

材料を揃える

材料を選ぶ時のポイント

廃材の中から材料をセレクト。メインで使用したい30mm x 40mmの材料があれば良かったのですが、廃材なだけにそんなに都合よくは行かない。発見したのが90mm x 30mmの杉の板材。長さはバッチリ1,820mm。こちらを40mmに縦引きして1枚から2本の骨材を取り出すことにしました。
材料選びのポイントは骨組みに使う材料の太さ。今回は建具(ドア等)は使用しないので自立するのに体力的に足りているかがポイントになります。太すぎず細すぎず適度な材料をセレクトしましょう。リノベで新規に間仕切り壁を立てる時などは、建具の幅に合わせた間柱が必要になるので、建具のサイズなども事前に確認しておくことが大切になります。

図面を引く前に入手できる材料の寸法を事前に確認しておくのがキモです。寸法が曖昧なまま図面を引いてしまうと、実際に入手できる材料と図面との間に誤差が出てしまい、図面を大修正しなくてはならなくなってしまいます。

馬の上にコンパネを敷き作業台を建てる

何をするにしても作業台は不可欠デス。床で作業しても良いのですが、長時間作業してると足腰がぐねぐねになってきます。作業のしやすい環境は加工の正確性の向上にもつながりますので作業台をお勧めします!コンパネが軽量加工されて十字に組み合わせるタイプの作業台がホームセンターなどで売ってます。収納性も良くローコストなので一押しデス!これを2台建てて上にコンパネを敷けば作業台の完成です。

丸鋸ガイドを使い板材を縦引き

先ほど書いた通り、今回は幅90mmの材料を縦引きして40mmの材料を作ります。骨材の全てをこの太さの材料で製作するので、予め全部縦引きしちゃいます。
縦引きするときに不可欠なのが丸鋸ガイド。簡単な物であれば丸鋸を購入した際に付属品として入っているはずです。
丸鋸の歯のガイド側で40mmになるようにガイドを調整し、材料より少し刃が下に抜けるように高さも調整します。一度調整すればその後はいちいち調整しなくてもOK。ガイドに合わせてビリビリ縦引きしていきます。

コマがガイドに当たらないように注意!
ガイドを使って縦引きする際は、下に敷くコマがガイド側にはみ出さないように注意して!コマにガイドが当たって止まるだけならまだ良いのですが、ちょびっとだけはみ出てて、いつの間にかコマに沿って縦引きしてしまうとサイズが変わってしまい最悪なことになります。

差し金で直行線を引く

図面に従い材料の長さを揃えていきます。熟練の大工さんであれば、スケールで長さを測り、ちょろっと印をつけてノコギリなどで正確に切れるのでしょうが、曲がった切り口では建て込みの際にガタつきなど収まりの悪さにつながります。正確にカットするために差し金を使いキッチリ直行線を引きましょう。ノコギリで切断するなら2面に直行スミを引けば尚安心です。

直行定規を使い丸鋸でカット

今回、切断には丸鋸を使用します。丸鋸も安い物では一万円以下で売られているものもあるので、効率と体力を考えたら揃えたいアイテムではありますね。
丸鋸でカットする場合、直行定規があると真っ直ぐカットできて材料のクオリティーが上がります。この時、材料の下に端材などでコマを挟むのをお忘れなく!せっかくの作業台まで一緒に切り刻まないように注意しましょう。

材料が揃いました

全ての材料が揃いました。今回は屋外に立てるプランター小屋なので、この後腐れ防止の塗装を施していきます。塗装に関しては次の項で解説!

実践:材料は予め塗装すると楽チン

組み上げてから塗装すると、塗りにくかったり結合部分が塗れなかったりします。外観の装飾に加え、防腐防止の役割が大きいので未塗装部分は極力無くしたい。材料を揃えてから予め塗装すれば、小口までキッチリ塗れるし超効率が良いので楽チンです!

塗料とローラーの準備

塗料には油性と水性があり、ローラーやハケにもそれぞれ油性用と水性用があります。塗料との適性が合わないと塗料の伸びが悪かったり塗りムラが出てしまったりします。しっかりと適合する道具を選びましょう。今回はファミリー農園に常設するプランター小屋なので、耐候性を重視して油性塗料を使用します。

油性塗料と水性塗料
各々にメリットとデメリットがあり、使用環境や目的によって使い分けます。

◯水性塗料
・メリット:乾燥する過程でほとんどニオイが発生しないのが一番のメリット。屋内で作業する場合は水性を使用します。作業性も高く、使用した道具は水道でじゃばじゃば洗えちゃいます。
・デメリット:乾燥時間が長くなるので、屋根がない場所で使用する場合は天気とよく相談しなくてはなりません。対金属素材では皮膜のノリが悪くあまり相性がよくありません。

◯油性塗料
・メリット:配合されている有機溶剤の揮発性が高いため速乾性がすこぶる高い。塗装直後の表面にハリを保つ性質があるためハケ跡が残りにくく、仕上がりがキレイに。アルミや鉄部にもしっかり乗るので相手を選ばず使用できます。
・デメリット:なんと言っても「匂い」デス!乾燥過程で有機溶剤が蒸発するのでシンナーの匂いが強めに発します。屋内で使用する際はしっかりとした換気が必須です。粘着が強いので誤って付いてしまった塗料や、使用後の道具は全てシンナーでケアしなくてはなりません。

 

材料を並べる

プレカットした材料を高さ別に分け作業台に隙間無く並べます。この時、必ず枕木を引くのをお忘れなく!台にベタ置きだと下面が乾燥しないし、枕木を長くすれば作業台から溢れる分量でも作業台の上に並べることが出来ます。

最初に材料を並べる際は、一番広くなるように並べます。広い面を上にして並べるんですね。後で材料を転がすときに枕木が足りなくなるのを防げます。

ハケorローラーで一度に塗る

作業台の上に隙間無く並べることで面が広くなり作業効率が大幅にアップします!大きめのローラーやハケでガンガン塗りましょう。

塗料の取り過ぎに注意!
塗り上げる際にはハケやローラーに塗料を取りすぎてしまうと、側面にダラリと垂れてしまい後々メンドイ事になりかねません。バケツからとった塗料は適度にシゴき、一度に取りすぎないようにするのがキレイに塗装するコツです!

材料を転がす

並べた材料の上面を塗り終えたら材料を90度転がします。乾燥を待たずに転がしてしまってOKです!「材料を並べる」の項で広い面を上に並べておいたので転がしても枕木から溢れる事もありませんね。未塗装部分を上面に転がしたら同じようにガンガン塗っちゃいます。この作業を4面繰り返します。

小口の塗装も忘れずに!
小口とは材料をカットした際の切断面の事。木の性質上、小口から水分を吸収しやすくなるので、イチバン腐食が進みやすい箇所です。忘れずに塗装しましょう。

1本ずつ空ハケを通して乾燥

4面とも塗り終えたら、乾燥するまえに完全に塗料を切ったハケでひと撫ですることでダマになった塗料やムラなどが馴染みキレイな仕上がりになります。空ハケを通したら乾燥させます。乾燥させる際は材料の間に隙間を作り癒着しないように並べます。狭い面を上にすれば少し隙間が作れるはずなので、作業台の上でそのまま乾燥させます。

材料が塗装できました

1回目の乾燥後、「材料を並べる」以降をもう一度繰り返し2回目の塗装をします。2回繰り返すことで皮膜が強く色も上がってきます。水性塗料の場合は特に2度塗りした方が良いでしょう。
塗装終了です!次回は塗装した材料を組み上げていく工程です。

今回の廃材で物置をビルド![VOL.2 材料のプレカット〜塗装編]はいかがでしたでしょうか?次回は[VOL.3 床・壁・天井パネル編]をお届けします。
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