大工工事

廃材で小屋をビルド!
[VOL.1 プラン〜準備編]

唐突ですが趣味で畑をやってます。畑といっても本格的なモノではなく親戚が営むファミリー農園のひとコマを借りて、趣味と健康づくりのために通ってます。そんな農園の一角に山積みの廃パレットを発見!と言うわけで、廃材を利用した極力予算0円の小さなプランター小屋を作りましょう!畑の小屋と言っても板を組み合わせただけのアバラ屋では無く、自宅のセルフリノベをする際の基本をガッチリ詰め込んだ内容にしてみます。
この項の最終回を迎える頃にはリノベの基礎をマスターしているはず!

Contents

予算0円!廃材のみで物置を建てる!

廃材?いえいえ宝の山です!

今回の企画は、農園で山積みにされたパレットを見て思いつきました。管理人の方に伺うと「バラして薪にしたり、何かに使えればなーと思って使わなくなったパレット貰ったんだよね」との事。薪?燃やしちゃうの?モッタイナイ!と言うことでプランター小屋づくりに使う旨をお伺い立てたらば二つ返事でOKでした!ありがとうございます。現在、輸入コストが上がり材木の値段が高騰しております。こんなご時世にピッタ入りな廃材利用!見てください!この宝の山を!

まずはプラン。小屋の目的は?

何かを作る時って必要に駆られて作りますよね?収納なのか、ならば収納したい物の大きさは?はたまた居住スペースなのか・・・等、目的によってプランが決まります。目的を明確にすることがプランニング完成への近道です。
今回はプランターなどで小さな作物を育てるプラント小屋を作ります。何段かのプランター棚を設置したいのでビスが効くように壁の下地にも注意が必要ですね。日光を取り入れやすいように天井はクリアのポリカ版で構成します。

廃材セレクト。耐力柱に必要な寸法

廃材の中から理想に近い材料を探す、もしくは加工して材料を揃えていきます。大きめのパレットなので太めの材料が使われており、しっかりした骨格を組めそうです。メインに使用する材料は40mm x 30mmにします。既製品でもよく売ってるサイズですね。一般住宅などでは105角〜120角などの太い耐力柱を使用しますが、今回は小さなプランター小屋なので体力的にコレで十分でしょう。

今回使用する道具

今回は特別な道具は必要なく、基本的な道具で十分製作可能です。何を作るにしても必ず登場するレギュラーメンバーたちをご紹介。

ノコギリor丸鋸

材木を切断、加工するのには欠かせないノコギリ。歯は何種類も存在し、中には釘なども切断してしまえる歯もあります。今回は骨材の切断に「ゼットソー800」を、棚などの切り口が見えてくる部分の切断には「8寸目」を使用します。
丸鋸がある場合は一般的な「木工用チップソー」でOKでしょう。

今回使用のノコギリの歯
ゼットソー800:一般的なノコ歯。精密さと切断スピードが丁度良い。
8寸目:切断面がキレイ。完成時に切断面が見える箇所に使用するとクオリティーが上がります。

インパクトドライバー(通称電ドラ)

全ての木の連結を釘で行うなら不要ですが、常設の建造物を作る場合はビスの方が耐久力が圧倒的に強固。ビスを使用する上での必須アイテムがインパクトドライバーです。手回しで作業するにはあまりにも無謀(確実に腕が死ぬ)。上を見ればキリがありませんが、一万円程度で買える物もあるのでぜひ揃えたいツールです。

スケール

採寸したりカット部分をマークしたりと常に使うアイテム。どのシーンでもよく使うので腰にホールド出来るタイプがオススメです。安いものは100円ショップでも売ってますが、伸ばしたまま戻らなくなったり、すぐに錆びてメモリが見えなくなったり・・。そもそもそんなに高い物では無いので、ちょっといい物を選ぶと良いでしょう。

差し金(さしがね)

垂線を引いたり、カネを取ったりするのに活躍します。長手500mm程度の大きいものに加えて長手150mm程度の小さい物を腰道具に一つ入れておくととっても便利。


水平器

床面の水平を測ったり、壁面の垂直を測ったりする際に使用します。少し長めの物の方が正確に測ることができます。

その他の手道具

上記以外でもあれば便利なアイテム。
①ホルダー:墨付け用。鉛筆けずらなくて楽ちん。
②ノミ:削ったり掘ったり。ちょっとした加工に活躍。
③小バール:ちょっと叩いたり押さえたり引っ張ったりするのに便利。
④玄翁(げんのう):いわゆるトンカチです。一番右のタイプは釘抜きが付いているタイプで、持ち手の端部を斜めにカットしてあります。この部分はこじ開けたり差し込んだり何気に良い働きをします。

図面の解説と施工手順

イラレで図面組

小屋を建てる上で、見切り発車で作り始めてしまうと後にサイズが足りなかったり、壁の下地が無くビスを決められなかったりなど取り返しが付かなくなってしまう事になりかねません。必須なのは図面です。図面を書く事で作業に迷いがなくなるし、描いているうちに新たなアイデアが生まれる事も良くあるので必ず作成しましょう。

小屋図面

経済寸法とは?

市販されている板物材料は基本的に3x6版が基本。3x6とは3尺(910mm)x 6尺(1820mm)のことです。経済寸法とは、壁の面積などを3x6の倍数以下にする事で材料の無駄をなくし、経済的に作成する寸法の事です。例えば、壁のサイズが幅1000mmだと板物1枚じゃ足りず、小さいパーツを繋ぐことになります。これでは手間も材料も無駄が出てしまいますね。小壁などは450mm以下にすると一枚の板物から2枚取れるので経済的と言えるでしょう。

長手通しで骨格組

下地の枠組みをする場合、長手側を実寸法でカットし、短手側を縦材料2本分の厚みを引いてカットしビスで連結します。長手通しの方がパネル全体の強度も強く、分かり易いので作業効率もアップします。

各種材料のセレクト

今回は幅90mm・長さ1820mm・厚み30mmの材料が沢山ありますので、この材料を40mmで縦引きし、30mm x 40mmの角材に加工し使いたいと思います。外壁に貼る板は15mm厚の板物が沢山あるので、サイズを加工しながら使用します。

工法の決定

今回は一人でも建て上げやすいパネル工法を採用しました。パネル工法とは、床・壁・天井などの骨組みをパネル状に製作し、下から順番に合体させて組み上げる方法で、今回のように独立した小規模な小屋を建てる場合などは有効です。とはいえ一般住宅でも採用されている工法で、工場でパネルを作成し現場に運搬。クレーンで一気に立ち上げます。在来工法と違って立ち上げがめちゃめちゃ早いです。

今回の廃材で物置をビルド![VOL.1 プラン〜準備編]はいかがでしたでしょうか?次回は[VOL.2 材料のプレカット〜塗装編]をお届けします。
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