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天童木工と柳宗理の流行りに左右されないモダンファニチャー。

天童木工と言えばバタフライスツール
バタフライスツールと言えば柳宗理
現在のジャパニーズモダンファニチャーのメインストリームを作り上げたこの関係式。
天童木工と柳宗理のコラボが無かったら、日本式モダン造形の確立は興らなかった!
今回はそんな巨星たちのストーリーを深掘りしてみましょう。

Contents

天童木工ってどんな会社

出典:株式会社 天童木工

将棋の駒で有名な山形県天童市に居を構える老舗家具メーカー「天童木工」

2020年に創立80周年を迎えた天童木工は、良質な木材の産地である山形県天童市で創業されました。
日本のプロダクトデザイン黄金期である1950年代から1970年代にかけて、丹下健三、柳宗理、剣持勇など名だたる建築家、プロダクトデザイナーと協業し、モダンファニチャーの礎を築いてきました。
天童木工は1950年代初頭からプライウッド(成形合板)家具の製造に着手・注力し、丹下健三氏デザインの建築物に合板形成チェアーが採用されたことをきっかけに、成形合板の高い技術力が広く認知されるようになりました。
このプライウッド形成技術の確立が後に名作家具「バタフライスツール」の誕生につながることとなります。

現在は、皇室を始め、数多くの企業や官公庁、一流ホテルなどに向け高級木製家具を製造、販売。家具以外にも自動車用ウッドパネルはホンダ、トヨタ、日産などの国産自動車メーカー各社で採用されております。

柳宗理って誰?

出典:柳工業デザイン研究会

総理大臣ではありません。柳宗理(やなぎそうり)。

柳宗理は20世紀のプロダクトデザイン黄金期を創ったインダストリアルデザイナー。
ル・コルビジェに影響を受けインダストリアルデザイナーを志したと言われています。

ユニークな造形と意外な実用性を兼ね備えた作品が多く、代表作はもちろん「バタフライスツール」ですが、エレファントスツールやシェルチェアなど名作家具を数多く誕生させております。
また、1964東京オリンピック&1970札幌オリンピックの聖火台やトーチは柳宗理のデザイン。さらに日本コロンビア製のレコードプレーヤー、三井精機のオート三輪など、広範囲に才能を発揮しております。
まさに日本のプロダクトデザイナーの父と言えるでしょう。
※本名は柳宗理(やなぎむねみち)さん。総理大臣ではありません。

ジャパニーズデザインのアイコン家具「バタフライスツール」とは?

 

出典:株式会社 天童木工

芸術的デザインと超高度な製造技術が融合した「バタフライスツール」。

ジャパニーズデザインのアイコン的家具「バタフライスツール」は、1956年に柳宗理によりデザインされ、天童木工の高いプライウッド成形技術が融合し誕生しました。
形成合板2枚を真鍮金具1本でシンメトリーにジョイントした超絶シンプルなロースツールは、その名のとおり、蝶が羽根を広げたかのような優美なスタイル。

ちなみにバタフライスツールは各国の著名な美術館にも収蔵されています。
・MOMAニューヨーク近代美術館永久収蔵品
・パリ・ルーブル美術館永久収蔵品などなど。

芸術的デザインと高度な製造技術、どちらが欠けても成立しないのがバタフライスツール。
コピー商品があまり出回らないのはズバリ「作れないから」。

凄過ぎる!デザイン王国、山形県。

出典:https://www.yamagatanodesign.jp/

デザイン王国!山形県。何がそうさせた?

東北の2大不思議といえば、
その1、大谷翔平、佐々木朗希、菊池雄星などの世界級のピッチャーは岩手県出身。
その2、天童木工をはじめ「イタリア人以外で初めてフェラーリをデザインした男」KEN OKUYAMAや、コムデギャルソン出身の服飾デザイナーkolorの阿部潤一さんなど、デザイン界の巨匠を輩出している山形県。
不思議ですよね。大自然が想像力を育むのかな。

そんな山形県ですが自治体もデザイン県としての取り組みを行なっております。

やまがたのデザイン(山形県工業技術センター)
https://www.yamagatanodesign.jp/

東北芸術工科大学
https://www.tuad.ac.jp/

デザイナーを志すなら山形さあべ!(山形に行こう!)

バタフライスツールのリプロダクト家具はほぼ無いと申し上げましたが、ごくわずかに存在します。
しかし、リプロダクトと名乗れるほどのクオリティはありません。
形成の精度、小口の処理、何をとっても似ても似つかない商品ばかりです。
柳宗理の流麗なフォルムデザインと高精度なプライウッド技術を堪能したいなら、天童木工製のバタフライスツールをお勧め致します。

今回の「天童木工と柳宗理の流行りに左右されないモダンファニチャー。」いかがでしたでしょうか?
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