内装工事

プロ顔負けのクロス施工!
[VOL.4 施工編①〜クロス糊の練り方]

壁の下地が完成したら次はいよいよクロスを貼っていきます。ここではクロス施工に欠かせない「クロス糊」について解説します。
前回の『プロ顔負けのクロス施工!VOL.3 パテ処理編③』をご覧いただいてない方はこちらもご一読ください。

Contents

クロス糊って何を選ぶ?

生糊は生きている!カビに注意。

クロス貼りで使用する糊とは主に「水」「でんぷん」「防カビ剤」「防腐剤」等で構成されています。練ってしまった糊はその瞬間から劣化が始まり、徐々に粘着効果を失い始めます。特に夏の作業は放置した糊にカビが発生しやすくなるので、作った糊は早めに使い切るように意識する事。とは言え、ちゃんとビニールをかけて蓋の閉まるバケツに入れ、日陰で保管すれば1週間程度なら問題はないでしょう!

少量ならそのまま使えるやつ

例えば「壁一面だけアクセントクロスに張り替えて雰囲気を変える!」的なセルフリノベの場合は、部屋の大きさにもよりますがそんなに沢山の糊は使わない。更に少ない量を的確に練るにはちょっと経験が必要になります。そんな時は練り上げ済みで販売されている物が良いでしょう。少量で分けられているのもムダ買いを防げてウレシイ所ですね。


良く使われる糊

今まで使ってきた希釈タイプの糊で使い勝手の良かった物をいくつかご紹介します。

  • アミノール
    業界内でもかなり歴史のあるロングセラー商品。ホームセンターにレギュラーで置いてあることが多い。個人的にはダマが消えにくい気がする。あくまで個人的にはデス。
  • ルーアマイルド
    コスト的にもお財布に優しく使用感も抜群。こちらもホームセンターによく置いてある商品なので入手しやすい。多用しています。
  • ピュアラ
    拭き残してしまった糊などの変色が少ない。練り方にもよるが、数値通りに練ると少しゆるく感じます。そのゆるさが拭き取り性能が良い理由なのかも。
  • アクアリッチ
    高濃度で希釈性に優れた糊。濃度が高いので箱が軽いのがステキ。糊付け場が二階の時などは地味に助かったりします。

いずれもクロス業界で大手のYAYOIの商品です。私の場合、表記数値より1割程度水を減らして練った濃いめがスキです。出隅等がビタっとひっついて気持ち良い。


 


 


 

ボンド入りだと安心。ウォールボンド。

下地が悪い場合など接着力が必要とされる場合はウォールボンドがオススメ!ボンド配合で高い接着力を持ち、尚且つ原液タイプなので希釈の必要がありません。そのまま使えちゃうって事。少しコスト高ですがいざという時には頼れるヤツです!

<出典:ウォールボンド株式会社>

F☆☆☆☆ってなに?

読み方は「エフ フォースター」。建築基準法内で建築資材に付けられる等級を差します。F☆☆☆☆を使用していれば問題ないのですが、基準法内で☆の数により使用制限が定められています。分かりやすく言うと「少しの面積ならF☆☆☆やF☆☆でもOK」という事です。
そもそも何の基準かというと、シックハウス症候群の代表要因「フォルムアルデヒド」の発散率の事。☆が多いほど発散率が低いので沢山使ってOKって事です。セルフリノベにあたりホームセンターにて材料を購入す場合は殆どがF☆☆☆☆なので心配ないですね。

クロス糊の作り方(少量バージョン)

ではでは早速糊を練ってみましょう。今回は少量バージョンですが、沢山練る場合は大きいバケツでじっくり時間をかけて練りましょう。但し、マックス18kgの箱までにしましょう。それ以上一度に作ると重くて移動させるのが大変になります。

水と容器を準備

バケツに定量の水を全部入れちゃいます。今回は電動ドライバーのアタッチメントのスクリューを使うので水は全部イン。水が少ないと工具への負荷が強く、最悪の場合スクリューの羽が取れてしまう場合も。工具を使用せずに手練りする場合は少しずつ水を追加した方が、ダマになりにくく滑らかに仕上がります。

容器にドボン

定量の水を入れたバケツに糊を全部入れちゃいます。慣れてくると糊の感触で適度な滑らかさが分かってくるのですが、糊のパッケージに記載されている水と糊を全投入し、ダマが無くなるまでひたすらぶりぶりスクリューしましょう。

攪拌機や棒で練る

百聞は一見にしかず。電ドラ+スクリューでの練り具合を動画でご覧ください。

作りすぎに注意!捨てるのは面倒デス。

糊は作りすぎると処理が大変。えいっと流してしまいたくなりますが、排水管が詰まってしまったり、害虫を呼び寄せる結果にもなりかねないのでNGデス。余ってしまった糊は以下のような方法で処理しましょう。
◯新聞紙などの可燃物の上に出し、完全に乾燥させてから可燃ゴミで出す。
◯庭がある場合はかなり希釈して肥料として使用する。
こんなところでしょうか。くれぐれも排水溝にジャーはダメですよ!

クロスへの糊の打ち方

ローラーかハケでまんべんなく塗る

クロスに糊を打つ場合、プロの現場では糊付け機を使います。このマシンはかなり優秀で、出したい距離のクロスを正確に糊付けしてくれるし、使用したメーター数なども把握できる。但しとっても高価。セルフリノベには持て余すシロモノなので、今回はローラーで糊付けします。まずは1m程度クロスが広げられる作業台を予め用意しましょう。

付けたそばから折り畳む

ローラーなどで糊を付ける場合は実際に貼る際の下部から打って行くようになります。柄物のクロスなどを使う場合は、方向を見失わないようによく確認しましょう。
ではでは順を追って糊の付け方を解説します。

①使用したい長さにカットしたクロスを丸めた状態で作業台へ。
②クロスを1m程度を広げ糊を打つ。
③左にオレンジテープ、右にカットテープを貼り付ける。
④端部を10cmくらいの所で折り畳む。糊の面同士くっ付けてOK。
⑤畳んだ部分から1m程度糊を打つ。特に際部分にはしっかりと打ちましょう。
⑥最初に畳んだ部分に重ならないように30cm程度折り畳む。
⑦上記⑤〜⑥を最後まで繰り返す
⑧クロスの上端まで糊を打ったら④の手前で重ねて完成。

折り畳む際に、糊を打った面が表面に現れないように注意しましょう。糊の面同士を張り合わせることで乾燥を防ぎます。クロス糊はスグには乾燥しないので糊面を貼り合わせても大丈なのです。季節や室温にもよりますがしっかり糊面を合わせて、袋に入れて保管すれば半日くらいは楽勝です!

このように蛇腹に畳むことで貼り作業の時に効率よく作業することが可能です。適当に畳むと貼り作業で泣く事になります。よく理解して実践して下さい!

カットテープと下敷きテープ

糊付けする時にこの両テープを端部に仕込んでおきます。このテープには各々働きがあり、貼る際の右側にカットテープ、左側に下敷きテープが来るように貼り付けながら畳んで行きます。
◯カットテープ(オレンジ)
ジョイントする際に右側のクロス(既に貼り終えた部分)に糊を付着させない為に貼り付けます。畳むときに1cm程度はみ出させて貼り付けます。


◯下敷きテープ(グリーン)
ジョインとする際に下地にカッターが入らないようにするためのテープです。畳むときに5mm程度内に入れて貼り付けます。


クロスを貼る際に、右にオレンジテープ+左に下敷きテープという配置にしたい。という事は、糊付けする時は下端部から糊付けして行くので、テープの配置が左右逆になります。混乱しないようによく理解しましょう。 

ゴミ袋(2枚使用)に入れ、オープンタイム

クロスにとって大事なのがオープンタイム。オープンタイムとは、糊を打った後クロスの伸縮が安定するまでの時間を指します。糊打ち後すぐに施工してしまうと、数時間後クロスが縮み施工箇所に隙間ができてしまう事も。塩ビクロス全盛の現在では極端に伸縮することは少ないのですが、オープンタイムを取る事でクロスがしなやかになり、施工がしやすくなる効果もあるので30分位はしっかり取りましょう。折り畳んだクロスの保管は専用のクロスパックなるものもありますが、ゴミ袋2枚でも代用できます。両端に水を含ませたスポンジや雑巾を入れておくと乾燥を防いでくれます。

あれば便利な道具

プロツールではありますが、糊付けの際にあれば便利なアイテムをご紹介!

◯糊付け機
先にも少し触れましたがクロスに糊を付ける専用のマシン。正確な長さで糊付けできるので作業効率が大幅に向上します。


<出典:極東産業>

◯攪拌バケツ
糊を作る際に一度に沢山の糊をダイヤルを回して放置するだけで練り上げてくれる。18kgの糊(約200㎡施工分)を一度に練り上げます。


<出典:極東産業>

次回はクロスを貼る上での道具や準備を紹介&解説して行きます。
[VOL.4 施工編②〜クロス貼り準備編]をお楽しみに!

今回の廃材で物置をビルド![VOL.4 施工編①〜クロス糊の練り方]はいかがでしたでしょうか?当サイト「セルフリノベの虎の巻」には本記事以外にもセルフリノベに関するアイデアや施工方法の解説など便利な情報を公開しておりますので、ご興味のある方は是非ご一読ください!

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