いよいよ実際にパテを打っていく工程です。ここではパテ作業で最も重要なセクション「下地パテ(GLパテ)」の解説をして行きます。下地パテがしっかり打てていないと楽しいはずの仕上げパテが苦行になってしまうのでしっかり確認してください!
プロ顔負けのクロス施工。『VOL.2 パテ処理編①』も掲載中です。ご覧ください!
Contents
徹底解説!下地パテの打ち方
下地の状態を確認
まずは下地の確認。テープが剥がれている箇所が無いか、角が割れてしまっているボードは無いかなど事前にチェックすることが大切です。よくあるのはビスの打ち込みが不十分で少し頭が出ている事が。ビス部分をパテベラでひと流しすると出ているビスの感触が伝わるはずです。出ているビスはドライバーでしっかりねじ込みましょう。
パテベラの持ち方
個人差はあると思うのですが基本的な持ち方は「チョキ」。人差し指と中指を大きく広げてヘラの裏側を抑えるように持ちます。右利きの場合は人差し指で左のパテ耳を、中指で右側のパテ耳をしっかりと切る為にこの持ち方が良いとされます。
ボード目地に押し込むように
パテは基本的にボードの目地やビス穴に対して打って行きます。特に目地部分への打ち込みが甘いと、乾燥後に「ココ打ったの?」と思うほど痩せて目地ラインがくっきり出ます。目地に対して平行に構えビシビシとパテを打ち込みましょう。後で表面を撫で整えるので多めに打ち込んでOKです!
ボードの継ぎ目に適当に置き、基本は上から下へ。
前項の様にまずはボード目印に対してヘラを平行に構え、3〜4回打った幅分ずらしながらパテを打ち込みます。次にヘラを目地に対して直交するように構え上から下へ15度程度の角度で撫で下ろします。
ヘラの角度と力の入れ方。
ヘラの角度はボードに対して10度〜15度程度。チョキの両指に均等に力がかかるように撫で下ろします。最初に盛ったパテが目地の中からちょっと盛り上がる位の力加減が適度。思っているより強めに抑えないと目地部分は盛り上がりません。思い切って押さえ付けましょう。「え?平滑にするのに盛り上がっていいの?」と思うかもしれませんが、硬化の過程で痩せるのでちょい盛り上がりくらいでちょうど良いのです。
超重要「耳を切る」。
最初に盛った部分まで打つと、概ねヘラの幅でパテは伸びているはず。ここで大切なので「耳を切る」です!打ったパテのエッジに段差が出てませんか?この段差はそのままではいけません。チョキの片側ずつ力を入れ両耳を切れば一通りの動きはフィニッシュです。まとめるとこんな感じです。
①目地に対して3〜4回パテを打つ。
②打ったパテが無くなるまで上から下へ伸ばす。
③チョキの人差し指がわに力を加えてパテの左側の耳を切る。
④チョキの中指がわに力を加えてパテの右側の耳を切る。
盛り打ち1回(①)+上から下への抑え3回(②〜④)が1セット。
終点のヘラの返し方
目地の最下部までくると上から抑えられなくなるので、最下部だけは下から上へ伸ばします。先ほど打ったパテ部分の合流点で目地部分のパテにポコっとツノが出ると思います。慣れてくると合流部分での力の抜き方でツノが小さくなるのですが、こだわりすぎると前に打った部分も乱れてしまい一生終わらなくなります。ツノに関しては硬化後にサンダーでひと撫で消えるのであまり気にせず進みましょう。
慌てて擦ると残念さん
タイトルの通り。硬化が不十分な状態で慌てて擦るとホントに残念ことになってしまう。サンダーは一瞬で目詰まりするし、平滑だったパテ面もザラザラボコボコに荒れてしまいます。しっかりと硬化するのを待ちましょう。
硬化の目安と確認
硬化時間はパテの種類により変化しますが、120を使ったからって必ず2時間という訳でもなく、現場の環境や湿度、気温によって硬化時間は変化します。大抵の場合2時間までかからない事が多いと思います。
目地部分に多くパテを盛っているので、硬化が完了するのは一番最後になります。色が濃く出ていると思うのですが、それは硬化が完了しても消えません。色の差が無くなるまで待ってると永遠に待つことになるのでご注意を!ちょっと触ってみてウェット感が無くなれば硬化完了していると思われます。端の辺りをサンダーで擦ってみて細かい粉が出る様であればOKです!
目地が痩せたら増し打ち
前の項でほんのり盛り上がりを残して目地を打ったのですが、それでもマイナスに凹んでることもしばしばあります。一通りサンダーで流し、痩せているところは再度増し打ちします。
ヘラ筋はサンダーでひと撫で
ボード目地の交点でよく起こりがち。直行している目地のどちらかにヘラ筋が残ってしまう場合があります。硬化後のサンダーひと撫でで簡単に解消できますので、多少の筋は気にせず進め、後でキレイに整えましょう。
いちいちお掃除がポイント
パテの作業はどうしても現場が汚れがちになってしまいます。落としてしまったパテや、擦った際の粉は放置しておくと後でメンドイことになってしまうモノ。都度お掃除することが結果的にスムーズに現場を進めることになります。汚れた現場だとなんとなく仕上がりも汚く見えますしね!
うまく仕上げるコツ
一度で決めようと思うな!
パテは盛りすぎない限り何度重ねても大丈夫です。一度で決めようとせずに、重ね打ちして丁寧に仕上げましょう。
ヘラ裏は常にキレイに
慣れてくるとヘラの裏側は比較的汚れなくなります。パテベラは基本的に片面しか使いません。裏側に浮いたパテの残骸(通称パテくそ)を放置しておくとゴロゴロしたダマが入り込んでしまいます。そうならない様にパテベラは裏側も常にキレイにしておきましょう。
パテ盆の辺は歪まないように扱おう
パテ作業をする際に欠かせないアイテムのパテ盆。バケツから取り出したパテを一定量パテ盆に乗せ、そこからヘラで取って打っていく訳です。その際にパテ盆の辺を使ってヘラに乗せる量を調節したり、ヘラの裏側をキレイにしたりと、とにかく辺を使います。盆の辺が歪んでいたりするとパテをキレイに取れなかったり、ぼとぼとパテを落としてしまったり、いつまでもヘラがキレイにならなかったり・・・。イラッとしますね。
歪んでしまう原因の多くは、落としてしまった時や作業外の収納している時が多く、収納時にちゃんと入っていないのに無理やり蓋を閉めたりすると歪んだまま保管され、クセがついてしまいます。必須アイテムなので大切に取り扱いましょう。
<パテ打ちまとめ動画>
※字幕ありでご覧ください。
今回のクロス施工[VOL.3 パテ処理編②]はいかがでしたでしょうか?当サイト「セルフリノベの虎の巻」には本記事以外にもセルフリノベに関するアイデアや施工方法の解説など便利な情報を公開しておりますので、ご興味のある方は是非ご一読ください!