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オートトレース機能で超簡単!時短カットデータ製作。
手書き原稿や写真をスキャンしてカットデータへ即変換!まずはここからです。
Adobe Illustratorは多機能で万能な究極のDTPソフトです。そして操作性は超シンプル!シンプルが故にデザイナーにアイデアが無いと、ただのワープロと変わりません。むしろワープロの方がテンプレートやサンプル画像が充実している分、年賀状レベルのデザインであれば扱い易いのかもしれません。
しかし、デザインへの要求が高まってくると、イラレの在り方の正しさに気が付いちゃう。そしてそのタイミングは思ったよりも早く訪れます。
イラレを使ったデザイン作業において、モニターに向かいゼロからデザインを産み出すことは簡単ではありません。これはプロも初心者も同じです。頭の中のアイデアをイラレで具現化する事でオリジナルのデザインが誕生するのですが、人によりその手法は千差万別です。
前回ご紹介したようにフォントをデフォルメしてデザインを構築する方法や、スケッチした手書きデータを元にデザインする方法など、色々あります。
今回はその第一歩として、「画像を取り込んでオートトレースによりカットデータを作成」する方法をご紹介します。
オートトレース機能はトレース品質としてはあまりよろしく無いので、プロの現場で使うことは少ないのですが、ベジェ曲線の構造を理解する近道なので、先づはここから始めてみましょう!
[Adobe Illustratorの詳しい機能はAdobeサイトにてご確認ください!]
今回のレクチャーに必要な環境とスキル
- 前回(オリジナルステッカーで究極ステッカーチューン!vol.2データ製作(基本操作)編をマスターしている方。
- できればイラストレーターの基本操作が出来ていると楽勝。
前回保存したai形式のファイルを使用します。
1、ファイルを開き、画像データを配置する
イラストレーターを起動し、前回作成したaiデータを開いてください。ファイルをダブルクリックするか、上のメニューバーのファイル→「開く」でファイルを呼び出せます。

ファイルが開けたら、メニューバーのファイル→配置を選択します。
下図のダイアログが開きますので、配置したい画像を選択して「配置」をクリック。

今回使用するホンダのロゴ画像はウェブで「ホンダロゴ」などで画像検索をかけると、無数に落ちています。無料で配布しているフリーサイトも多数ありますので、検索してダウンロードしてください。
画像選びのポイントはデータサイズが大きく、モノトーンで境界線が綺麗な画像をチョイスしてください。
この際、注意すべき点はそのフリー素材サイトが版権を得ているかどうか不明なので、今回使用する配置画像は、トレース練習用に限り使用する事を強くお勧め致します。
手順-
- イラストレーターを起動する
- 上のメニューバー→ファイル→開くでファイルを選択
- ファイルをダブルクリックでもOK
- メニューバーのファイル→配置
2、画像のオートトレースでパス化
いよいよオートトレースです!配置した画像を左のツールバー最上段の「選択ツール」で選択し、右のパレットから「画像トレース」をクリック。

「画像トレース」をクリックすると、下図のような画像の詳細度を選択するメニューが開くので、画像に適した設定をチョイスします。今回は白黒ロゴに設定しました。

画像の種類を選択するとロゴがアウトライン後のプレビューに変わり、ボタンが「拡張」に変わります。
この時、思い通りのシルエットがプレビューされない場合は「⌘+Z(取り消し)」で作業を取り消し、違う設定を選び直します。これで一番綺麗な設定を見つけ「拡張」をクリックします。

-手順-
- 画像を左のツールバー最上段の「選択ツール」で選択し、右のパレットから「画像トレース」をクリック。
- 画像の種類を選択する(一番綺麗な設定を見つける作業です。)
- ボタンが「拡張」に変わるので、拡張を選択。
今回はK100%(黒)の画像なので白黒のロゴが適しているように感じますが、スケッチアートの方が綺麗でした。ソフトがどのような解析を行っているのか不明ですが、色々試した方が良いみたいですね。ちなみに詳細度をマニュアルで設定することもできますので、操作に慣れたらお試しください!
3、輪郭線が作成されます。
拡張をクリックすると配置画像が図形データに変わります。これは選択線により判断する事ができます。
ちなみに選択線とは水色の線で、作業対象のオブジェクトを示す線の事です。
配置画像の状態は「四角にバッテン」、図形データに拡張されると「四角+輪郭線」に変わります。

この時、パスが乱れているかプレビューを拡大して確認します。
左のツールバーから「ズームツール」を選びロゴをクリックするとその都度プレビューが拡大されます。その状態で「option」を押したままクリックすると縮小されます。
また「option」ではなく「スペースキー」を押したままクリックするとプレビュー範囲の移動。
これはあくまでもプレビューの「拡大・縮小・見え方」なので、データのサイズが変わっているわけではありません。
今回は多少データが乱れていても、気にしないで下さい。細かい修正やベジェ曲線の操作法はブログでは説明し難いので、後日動画にて説明いたします。
-手順-
- ロゴのアウトラインが作成された事を選択線にて確認する。
- 左のツールバーから「ズームツール」を選びロゴをクリックすると拡大
- その状態で「option」を押したままクリックすると縮小されます。
- 「option」ではなく「スペースキー」を押したままクリックでプレビュー範囲の移動。
4、ファイルを保存します。
これでカットデータが出来上がりました。このファイルを上書き保存して次回に備えます。
メニューバーのファイルから「保存(⌘+S)」を選択すると上書き保存になります。

データ製作に関しては今回で終了です。細かい修正やベジェ曲線に関しては、動画でご紹介いたしますので、少しお待ちください。
そしていよいよ次回は、出力作業です!Rolandのプラグインのインストールから実際の出力方法まで細かく説明いたしますので、乞うご期待!
質問・ご相談ございましたらこちらまでお願いいたします。