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最後はイラレ(Adobe Illustrator)にたどり着く。
綺麗なステッカーを製作する為には綺麗なカットデータがマスト!
美しいデータを作ろうと思ったら必ずたどり着く「イラストレーター」。この究極で唯一のAdobeのDTPソフト、覚えておいて絶対に損はありません!
オリジナルステッカー作りにおいて、避けて通れないカットデータ製作。パソコン作業が苦手な方にとっては鬼門とも言える行程ですよね。しかしここを避けて通るわけには行きません。なぜならこの行程が仕上がりの8割を決めてしまうからです。
初めのうちは作業に慣れる意味で、プロッタに付属のソフトで作業行程を学べば良のですが、フルオリジナルの綺麗なデータを作る際に付属ソフトでは役不足です。すぐにAdobe illustrator(イラレ)が必要になりますので初めからイラレの勉強をしちゃいましょう!
このイラレですが、デザイン業界の人間であれば使えない人はいない程のAdobeのプロ用ソフト。全ての機能を使いこなそうと思ったら正直激ムズなのです。
しかし、デザイン業界と言っても印刷、WEB、看板、など様々な業種があります。私も何業種かを経験しておりますが、業界によってイラレの使い方が全く違うのです。
しかも、編プロなどの大きな組織になれば、作業が分業化されているため、使う機能はさらに絞られてきます。
例えばWEB屋さんにはカットデータは組めません、看板屋さんにはチラシの入稿データは組めません。と言うように、イラレの守備範囲は実に広大です!
イラレの全機能をマスターするには相当な時間を要するでしょう。そしてイラレエキスパートになればデザイン会社からのオファーが絶えないでしょう。
しかし今回は「オリジナルステッカーデータを作る」事に限定します。イラレ全機能のほんの一部(全機能の5%以下)です。この行程であれば、個人差はあると思いますが2〜3週間で完全マスターできるのではないでしょうか?
もちろんパソコンを触ったことが無い方ですと辛さはかなりえぐいので、まずはパソコン操作に慣れてからチャレンジして下さい!
[Adobe Illustratorの詳しい機能は(Adobeサイト)にてご確認ください!]
今回のレクチャーに必要な環境とスキル
- 前回のオリジナルステッカーで究極ステッカーチューン!vol.1道具編を読んでいること。
- Adobe Illustratorがインストールされたパソコン(マックで説明します)
- パソコンでウェブショッピングができる程度のパソコンスキル
- できればイラストレーターの基本操作が出来ていると楽勝。
ファイル形式から保存まで。
1、新規ファイルを作ります。
イラストレーターを起動すると下図のような画面が開きます。これはデータの大まかなサイズを決めるための図画版のようなものです。カッティング用のデータだと横幅170mm程度なので、A4サイズの図画版だと目安になって作業しやすいですよね。
なのでA4を選択して新規ファイルを製作します。
ファイル中心にA4サイズの罫線(黒い線)があると思うのですが、ケイ線内側のデータが出力されるので基本的には罫線の中でデータを組んでいきます。
-手順-
- イラストレーターを起動する
- 新規ファイルを作成する
- 以前に作ったデータを開きたい時はファイルをダブルクリックでOK
2、ワークスペースを構築する。(しなくてもイイけど)
ワークスペースとは、その名の通り作業環境のこと。「道具箱」のようなものです。
例えば大工仕事するためにノコギリやカンナを準備するのと同じで、カットデータ作成のやり易い環境にツールを整えるのです。これを行うと使わない機能を隠してくれるので、ツール選択が容易になります。
慣れてきたら、自分用のワークスペースをカスタムすれば良いのですが、初めは今回のテーマであるステッカーデータの作成に一番適している「トレース」を選択しておきましょう。
イラレを究極に使い込むと、全てショートカットで呼び出すようになるので、ワークスペースも何も関係なくなりますが、今回は説明の都合上、トレースを選択してください。
手順-
- メニューバーからウィンドウを選択
- ウィンドウからワークスペースを選択
- ワークスペースからトレースを選択
3、まずはテキストからカットデータを作ってみよう!
いよいよ作業開始です!左のツールバーからテキストツールを選択し、用紙上の任意の場所でクリック→「Super Cub」と入力し、メニューバーの書式→サイズで大きさ(pt)を入力しサイズを調整します。
左のツールバーの一番上の選択ツールを選択し、文字を用紙中央に移動しましょう。
ここで一つ重要ポイント!「選択したり、移動したり」するためには選択ツールを使います。多分一番使用頻度が高いツールです。そして選択を解除するには余白(データのない所)をクリック。この動作がイラレの基本動作になります。
入力した文字を選択した状態で文字パレットもしくは画面最上部の書式からフォントを選択します。今回はヒラギノ角ゴStdW8を選択します。
フォントのチョイスに関して、カッティングプロッターは細くて小さいデータが苦手です。しかも安価なプロッタになるとスピードやカット圧も調整できないので、初めのうちフォントはできる限り「太い角ゴ」にしてください。
実際にカットしてみれば細さと小ささの限界がわかると思います。これは図形に関しても同様です。
どんなに素敵なデザインが出来上がってもカットできなと勿体無いので、デザインする際には作業の限界値を強く意識してください!
手順-
- 左のツールバーからテキストツールを選択
- 好きな文字を入力。今回はSuper Cubと入力しました。
- 右の文字から好きなフォントを選択し大きさを調整。今回はヒラギノ角ゴStdW8を選択
イラストレーターを購入しAdobeに登録すると無料でフォントをダウンロードすることができます。このダウンロードフォントはWEBに落ちてるフリーフォントと違ってモリサワやヒラギノなどプロ御用達のフォントも多数含まれています。私にとってイラレの価値の半分は、このフォントにあると言っても過言ではない程のサービスです。是非、どんどんダウンロードして使ってみてください!
4、文字データを図形データに変換します。
文字データのアウトラインを作成し、カットデータにします。
入力した文字「Super Cub」を選択して右下のクイック操作の「アウトラインを作成」を選択すると文字の輪郭線が形成されます。
上の画像はまだ文字データの時の選択状態です。このデータ状態ですと、印刷やウェブには使えるのですが、このままのデータをプロッタに流してもプロッタは動いてくれません。
この文字データを図形として変換したものが下の画像です。輪郭が点と線(ベジェ曲線)で構成されたアウトラインデータです。この状態であれば、プロッタは全ての線をカットしてくれます。
それではテキストデータとアウトラインデータは何が違うのか?
簡潔に言うとテキストデータは、編集可能データ。例えばスペルが間違っていた場合修正が可能だったり、長体・平体・シアーなどの変形を与えたり元に戻したり出来ます。
一方アウトラインデータは、もう図形化されている訳ですから、テキストの再編集は出来ません。しかしロゴとして編集したい場合などは便利です。
スペルに間違いが無い事を確認してからアウトライン作成してください!
-手順-
- 入力した文字を選択して右の文字パレットからアウトラインを作成
- もしくは⌘+shift+Oで文字をアウトライン化
- 文字の輪郭にパスデータ(点と線)が出れば成功
5、ステッカーの外枠を作ります。
左のツールボックスの長方形ツールを選択して、ロゴを囲むように左上から右下へドラッグすると長方形が出来ます。shiftを押したままドラッグすると正方形になります。
この時、カラー情報(塗り&線)を「塗り無し(斜線)&線(黒)」に設定します。これはツールバーの左下にある塗りと線ツールで設定できます。
この時にデータを芯に寄せたりパスをまとめたり、色々するのですが混乱しますので、後日動画で説明します。
ちなみに上の画像には四角の線が2つありますが外側が用紙範囲、ロゴの周りがステッカーの外枠(切り取り線)なので外の線は無視してください。
-手順-
- 左のツールボックスの長方形ツールを選択
- 囲いたい支点を左上にして右下へドラッグすると長方形が描ける
- ちなみにシフトを押したままドラッグすると正方形になります。
- 左のツールボックスからカラーを選択
- カラー無し(斜線)、線にブラックを選択
6、ファイルを保存します。
これでカットデータが出来上がりました。このファイルを保存して次回に備えます。
メニューバーのファイルから保存を選択するとダイアログが開きます。
ファイルの保存形式には色々ありますがaiデータで保存しておくのが無難でしょう。データをステッカーだけでなくPhoto ShopやPremierで開くときはまた別の形式になりますが、こちらも動画でご紹介しますので、しばらくお待ちください!
手順-
- 上のメニューバーからファイルを選択
- ファイルから保存を選択するとダイアログが開きます。
- 名前を付け、保存場所を決める。
- ファイル形式をAdobe Illustrator(ai)にして「保存」します。
これで文字ステッカー製作用のカットデータが出来上がりました。このデータをプロッタに出力すれば文字ステッカーが出来ちゃいます。思ったより簡単!
しかし、今回は図形の編集まで辿り着けませんでした。次回は画像のオートトレースを通してベジェ曲線のレクチャーをします。これで思いのままのステッカーが製作ができるようになりますのでがんばりましょう!
質問・ご相談ございましたらこちらまでお願いいたします。